奥の院(法界躰性院)

興正菩薩叡尊五輪塔

興正菩薩叡尊五輪塔

奈良県指定重要文化財 鎌倉時代 石造 総高342㎝
興正菩薩叡尊五輪塔

叡尊上人の火葬から50日後、火葬地に1丈1尺の廟塔(石造五輪塔)が建立された。一辺13.7mの二重基壇の中央に据えられ、総高342cmの日本最大級の大きさの石塔である。どっしりとした重量感の中に精緻な優美さを備え、わが国の五輪塔型造形物の極致と評価されている。

地蔵菩薩立像

地蔵菩薩立像

室町時代 木造彩色 像高93.9㎝
地蔵菩薩立像

奥の院廟塔の北西部に江戸時代創建の地蔵堂(木造 寄棟造 3間×4間)がある。奥の院の本堂であり、堂内の中央厨子には、錫杖と宝珠を執る地蔵菩薩立像を祀る。木造。像高93.9㎝。像内納入文書により、室町時代の永正11年(1514)海龍王寺比丘仙算、宿院番匠源四郎の造立になることが判明する。

骨堂

骨堂

奈良県指定文化財 鎌倉時代 木造 切妻 1間4面
骨堂

奥の院の村墓地の入口付近の、叡尊五輪塔の西南方の場所に、角・板の塔婆を用いて柱や壁面の材として建立された木造瓦葺・方一間の骨堂(コツンドウ、納骨堂)がある。『勅諡慈真和尚宣下記』によれば、嘉暦4年(1329)には既に現在の位置に存在が確認される。叡尊が創始した光明真言会に結縁した僧俗の納骨堂として機能したものであろう。近年も光明真言会の結願後にその年に逝去した一門僧衆の法名を記した大塔婆を壁面に打付けて廻向する習わしがある。