西大寺創建の端緒となった称徳天皇誓願の四天王像をまつる仏堂。現在の堂舎は江戸時代の延宝2年(1674)の再建で、正面3間・奥行2間の寄棟造で、身舎(もや)の四周に裳階(もこし)を廻らし、外観は二重風の建築となっている。堂舎周囲の版築基壇は奈良時代創建当初の規模を伝える。鎌倉時代の正安2年(1289)亀山上皇院宣で鳥羽上皇御願寺であった京都白河十一面堂院の本尊・十一面観音立像が客仏本尊として当堂に移されてからは、観音堂とも称する。四天王像も後世の再造であるが、その足下の邪鬼が奈良時代創建当初の姿を伝えている。